甘酒
《これでも飲んでホカホカする?》
お湯を沸かしながら、母は言いました。
実は一昨日の夕方から体調が優れず、昨日は15時過ぎには体力の限界が来ていました。
何とかやるべきことをやって、残りの軽作業を新人にお願いして残りの時間を(仕事をしながら)ゆっくり過ごしていました。
帰りは買い物をする予定だったのですが、全て断念する代わりに、自分を労うために会社最寄りのコンビニでほっとレモンを購入しました。
何とか体の機嫌を取ることに成功した私は、そのまま家の近くのコンビニでよもぎ饅頭を購入して家に帰りました。
今日は両親共々出かけていたようで、寄り道をあまりしてこなかった私が一番乗りの帰宅となりました。
ゆっくり身支度を整えつつ、私宛に届いた小さな荷物にウキウキしていると、母が帰ってきました。
荷物の事情を知る母は私が掲げた小さな荷物に目を止めて、全てを察して“良かったね”と一言いって身支度を整え始めました。
しばらくして、私の体調不良を知っていた母はお湯を沸かしながら私に向かってこう言いました。
“これでも飲んでホカホカする?”
その手にあったのは、見慣れないパッケージでした。
よく見ると、そこには“甘酒”と書いてありました。
母曰く、生姜入りの甘酒なのだそう。
早速、お気に入りのリラックマのカップを取り出すと甘酒の封を開けて、甘酒のキューブを入れました。
どうやらフリーズドライになっているようです。
お湯を入れると、生姜と甘酒のとてもいい香りが漂いました。
スプーンで混ぜながらゆっくりと飲むと、体に染み渡るような、そんな気がいたしました。
生姜入りと言っているだけあって、細かい生姜が本当に入っており、とても美味しく感じました。
母の気遣い、ありがたい限りです。
さて、せっかく電車で座れたので寝ることといたします。
それでは今回はこの辺で失礼致します。
どうぞごゆるりとお過ごしください。
(小さな荷物の件はまた後ほど。)