少し豪華な昼
《専用の出すのめんどくさいから、コップ出して?》
なんの事だろうと振り返った先に見えたのは、見覚えのない缶を持った母親でした。
皆様は、大切にしたい時間はありますか?
今日は私が大切にしたいと思える時間を過ごせた日になりました。
今日のお昼は少し豪華にお寿司にでもしよう!ということで、母はスーパーでお寿司と太巻きを買ってきてくれました。
父が居ないので、少し奮発してもいいかな、と思ってくれたのかもしれません。
そのスーパーのお寿司と太巻きは意外と美味しくて、お寿司屋よりは劣るけれどもかなり満足できます。
私は母が帰宅すると、上機嫌でテーブルをセットしました。
パッケージが上手く開けられないという母の代わりに、全てのパッケージを開け、母は食器を揃えてくれました。
見るからにおいしそうで、早く食べたいと思いつつ先に席に座って母を待っていました。
すると母が、“私の後ろから、専用の出すのめんどくさいから、コップ出して?”と言ってきました。
専用とは?と思いつつ振り返ると、母は見慣れない缶を手に持っていました。
その缶のラベルを思わず二度見してしまうくらい、私に…私の家にとっては珍しいものでした。
その缶の正体は、ビールでした。
女子飲み会かな?と思いながら、コップを出してビールを注いでもらいました。
私はアルコールは好きですが、ビールに限らずあまり強くないので、“少ない方でいいよ”と小さいコップを手に取りました。
母はそんな私にニヤリと笑って見せて、“大丈夫、これ、ノンアルコールだから”と大きい方のコップを差し出してきました。
…さすが母親、子供のことをよく分かってるな…と思いつつ、ありがたく大きいコップを手に取って2人で乾杯しました。
母親と特別な時間を過ごすのは、私にとって至福のときで、今後も大切にしたいと心の底からそう思いました。
皆様も大切な時間をお過ごしください。
たとえそれが複数人であろうと1人であろうと、自分が大切だと思えば、それは大切な時間だと思います。
それでは今回はこの辺で失礼します。
どうぞごゆるりとお過ごしください。