久々のジェノベーゼ
《なんか美味しそうだな》
ウェートレスの手元を見ながら思いました。
本日は用事があったので仕事はお休みしていました。
その用事が昼過ぎに終了し、遅めのお昼ご飯を摂ることにしました。
単独行動をしていたので、一人で何を食べようかと考えながらフラフラしていました。
“久しぶりにここにしよう”
そう思って、タリーズコーヒーに入りました。
パスタにしようか、パンにしようか、ドリンクは何にしようか、そう考えながら席をとってレジに並ぶと、その目の前をウェートレスが通っていきました。
そのウェートレスが持っていたお盆の上には出来上がったばかりのジェノベーゼが乗せられていました。
“ジェノベーゼだ…美味しそうだな”
と思いながら、ふと過去の出来事を思い出していました。
随分前のことですが、両親と共に入ったお店でパスタを頼んだことがございました。
私は王道にミートソースを頼んだ気がいたします。
父はズワイガニのトマトクリームパスタ、母はジェノベーゼでした。
家族全員、ジェノベーゼというものを食べたことが1度もございませんでした。
母は私と父に一口ずつジェノベーゼを分けてくれました。
その時にいただいたジェノベーゼの味が、忘れられない衝撃を受けるようなものでした。
それは例えるなら葉っぱです。
パスタの顔をした青い葉っぱを食べている、そんなお味でした。
正直にお伝えしましょう。
美味しくなかったのです。
それからジェノベーゼは二度と選ばないと決めていたはずでした。
しかし、お腹がとても空いていたせいもあってか、目の前を通って行ったジェノベーゼが妙に美味しそうに見えたのです。
“失敗覚悟で再チャレンジしよう”そう覚悟を決めて注文いたしました。
用事が少々ストレスフルなものであったため、やけ酒ならぬ、やけコーヒーを決めながらジェノベーゼを待っていました。
目の前にジェノベーゼが運ばれてくると、とてもいい匂いが私の鼻をくすぐって来ました。
ドキドキしながら一口いただいてみると、驚いたことに、とても美味しかったのです。
空腹の補正がかかっているのかとも思いましたが、最後までしっかり美味しくいただけたので、おそらく本当に美味しかったのでしょう。
パスタの顔をした葉っぱではなく、絶妙なバランスのとれたパスタでした。
具材も鶏肉やポテト、ズッキーニが入っていてとても食べやすく、それぞれが別々のアクセントを醸し出していたので全く飽きませんでした。
想定外の拾い物をした気分で家に帰った私は、早速そのことを母に報告しました。
母もとても驚いた様子で、そういうものなら食べてみたいなと興味津々でした。
いつか機会があったら、一緒に食べに出かけたいところです。
皆様のお気に入りのパスタはなんですか?
ちなみに私は家で作るたらこスパゲティがお気に入りで、外食ですとトマト系のスパゲティがお気に入りです。
今回の私のようにたまには違うものを注文するのも、もしかしたら面白いかもしれませんね。
それでは今回はこの辺で失礼致します。
どうぞごゆるりとお過ごしください。