暁の間

のらりくらりと…

レンタルドレス

《すごく似合ってるよ!》

 

母の目の先に、見慣れない姿がありました。

 

 

レンタルドレスの下見に、母と2人で出かけました。

母は久々の2人きりの外出がとても楽しみだったようで、心做しか始終笑っていたように見えます。

“電車なんて久しぶり”という母は、案の定電車の揺れでずっとヨロヨロしていました。

私は苦笑いしつつ、母が倒れてしまわないように近くにピッタリとくっついて、すぐ支えられるようにスタンバイしました。

さり気に話しながら近づいたので、母は恐らく話をするために近づいたと思ったことでしょう。

母なら気がついて遠慮するかお礼を言うのに、今回は一言も言わなかったのですから。

…いや、もしかしたらそこまで見越してわざと言わなかった可能性もありますね。

母親ですから、有り得る話でしょう。

 

最寄り駅につくと、約束の時間までまだ余裕があったため、駅の近くをウロウロしていました。

そこは私にとって思い出深く、そして皆様にとっても割と有名な場所だと思います。

東京体育館と国立競技場です。

 

東京体育館は私が学生時代に体育祭で使用しました。

友達とワイワイ話したり、たまに追いかけっこしたり、一緒にダンスを踊ったりとなんとも楽しい思い出です。

国立競技場はオリンピックで話題になりましたね。

 

国立競技場の図面をテレビで見ていたからか、私は直ぐにその建物が国立競技場だと分かりました。

しかし、上から見た映像が主流となっているため、図面を見た事がないもしくは覚えていない方にはぱっとみただけではなんの建物か分からないかもしれませんね。

それくらい印象が違いました。

近くに空港があるため、飛行機がとても低く飛んでいます。

運が良ければ、国立競技場と飛行機のコラボ写真が撮れることでしょう。

 

目的の店へ向かうと、そこでドレスを選びました。

最初はどうしたらいいか分からなすぎて、母に助言を求めながら探していました。

だんだん要領が掴めた私は、ドレスを3つほどピックアップして試着をしました。

その様子を見ていた店員さんが私が好みそうなおすすめを探し出してきてくださいました。

早速試着をしてみると、それはとても可愛らしく、且つ綺麗に見えました。

体型と肌色によくあったお色だったようです。

同じデザインで色違いのものも試着しました。

そちら少し大人しくなりましたが、とても可愛らしくて気に入りました。

色の好みとしてはどちらも私の好きな色合いでした。

 

“困ったな、ドレスの色、友達(お嫁さん)が内緒って言って教えてくれないから…”

“絶対にその色はお嫁さんと被らないと思うよ、ちょっと変わっているから。けれど、可愛いドレス姿が見たいって言われたんでしょ?”

“うん、”

“だったらさっきの色の方が絶対いいよ!”

“たしかに、”

 

そうして決まったのが、少しだけくすんだピンクのドレスでした。

ピンクですが、落ち着いた色をしていて可愛すぎることはありません。

また、くすんでいるからと言って暗かったり地味に見えるような色でもございません。

上品な華やかさ、上品な可愛さを孕んだ、そんなピンクでした。

 

その後はネックレスとバックを決めて契約と支払いを済ませ、店を出ました。

まさかこんなにもすんなりと行くなんて、と口を揃えて言いました。

もっとドレス選びに時間がかかると思っていたのです。

学生時代の謝恩会のドレス選びでとても苦戦していたため、1ヶ月で終われば奇跡と思っていました。

しかし、あれから月日が流れ、痩せることに成功した私は着ることが出来るドレスの幅が広くなっていました。

そのおかげで、体に合うものや肌に合う色、イメージ似合うものが選びやすくなっていたのです。

 

さて、長くなってしまったので、この後の小話はまた別の記事にしようかと思います。

…私も興奮冷めやまぬのですが、ここで無理に書くとまた疲れてしまいそうなので…。

 

 

 

それでは今回はこの辺で失礼いたします。

どうぞごゆるりとお過ごしください。